DTMを始めてみたものの、思うように続けられずに悩んでいる方は少なくありません。
機材を揃えてDAWソフトをインストールしたのに、操作が難しくて挫折しそうになったり、最初の1曲すら完成できずにモチベーションが下がってしまったりすることは、実は多くの初心者さんが経験されることです。
本記事では、DTMの挫折率がどの程度なのか、そして挫折しないために意識すべきポイントを、DTM解説サイトや講師の方々の知見をもとに詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、挫折しやすい原因を事前に理解し、具体的な対策を講じることができるようになります。
継続的に曲作りを楽しめる環境を整えるための実践的なヒントをお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
DTMの挫折率は70〜90%と推定されています
DTMの挫折率は、複数のDTM系メディアや講師の観測によると、おおよそ70〜90%程度と推定されています。
公的な統計データが存在しないため、これらの数字は各種ユーザー調査やコミュニティの傾向をもとにした推定値となりますが、多くの専門家が同様の見解を示していることから、信頼性のある数字と考えられます。
つまり、DTM用に機材を揃えたりDAWソフトをインストールしたりした人のうち、継続的に曲作りまで続けている人は10〜30%程度しかいないという計算になります。
特に挫折のタイミングとして最も多いのが「最初の1曲が完成する前」とされており、DAW操作や機材設定の段階でつまずいてしまう方が多いことが指摘されています。
ただし、この高い挫折率は「DTM自体が難しすぎる」という意味ではなく、準備不足や情報過多、目標設定のミスなどが主な原因とされています。
適切な環境と学習方法、そして意識すべきポイントを押さえることで、挫折率の高い状況を乗り越えることは十分に可能です。
なぜDTMの挫折率がこれほど高いのか
DTMの挫折率が70〜90%と高い背景には、いくつかの明確な原因があります。
ここでは、多くの初心者さんが直面する挫折の要因を詳しく解説していきます。
DAW操作と機材設定のハードルが高い
DTMを始める際、最初に立ちはだかるのがDAWソフトの操作と機材設定の複雑さです。
DAWソフトは音楽制作のための多機能なツールですが、その分だけ機能が多すぎて初心者さんには何から手をつければよいか分からないという状態になりがちです。
オーディオインターフェイスの接続設定やプラグインのインストール、レイテンシーの調整など、音を出すまでに必要な設定項目は意外と多く、この段階でストレスを感じてしまう方が少なくありません。
DTM解説サイトやブログでも、「最初の音を出すまでにストレスが多い」「設定だけで疲れて創作まで行かない」という声が多数報告されています。
情報量が膨大であることも混乱を招く要因となっており、インターネット上には様々な情報が溢れているものの、自分に必要な情報を取捨選択することが難しいという課題があります。
楽器経験や音楽理論の不足による行き詰まり
楽器経験がない状態でDTMを始めると、リズムやメロディのイメージがうまく形にできず、思ったような曲作りができないことがあります。
音楽理論を知らない場合、コード進行やキー設定で行き詰まり、何が正解なのか分からない感覚に陥りやすいという指摘があります。
特に、自分の耳で聴いて「何かおかしい」と感じても、それをどう修正すればよいのか分からず、試行錯誤を繰り返すうちに疲弊してしまうケースが多いとされています。
その結果、「自分には才能がない」「向いていないのではないか」と自己否定に向かってしまい、DTMから離れてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、音楽理論や楽器スキルは、必ずしも最初から完璧に持っている必要はなく、曲作りをしながら少しずつ学んでいくこともできるという考え方が、多くの講師から提案されています。
完璧主義と目標設定のミスマッチ
DTM初心者さんが陥りやすいのが、「いきなりプロ並みのクオリティを求めてしまう」という完璧主義です。
最初からフル尺のオリジナル曲やフルアレンジを目標にしてしまうと、ゴールが遠すぎて途中で消耗してしまいます。
また、「全部自分でゼロから作らないとダメだ」という思い込みも、完成を妨げる大きな要因となります。
DTM解説ブログでは、挫折の原因の多くは「目標が大きすぎる」「完璧を求めすぎる」ことだと繰り返し指摘されており、小さな目標を設定して達成感を積み重ねることの重要性が強調されています。
実際、最初から完璧な作品を目指すよりも、粗削りでも良いので短い曲を複数完成させる方が、結果的に上達が早いという意見が多数見られます。
孤立とフィードバック不足がモチベーションを下げる
DTMは基本的に一人で作業を進めることが多いため、質問できる相手がおらず、行き詰まったときに解決できないという問題があります。
他人のハイレベルな楽曲ばかりを見て、自分とのギャップに落ち込んでしまうこともあります。
さらに、成果を共有する場がないと、「頑張っても誰にも聴いてもらえない」とモチベーションを失ってしまう可能性があります。
人を頼ることや仲間を作ることが、挫折防止に非常に重要だという指摘が、複数のDTMブログや講師から共通してなされています。
質問できる環境やフィードバックをもらえるコミュニティに参加することで、孤立感を解消し、継続しやすくなると考えられます。
挫折しないために意識すべき具体的な方法
ここからは、DTMで挫折しないために意識すべき具体的な方法を、実践的な観点から詳しくご紹介していきます。
目標設定とマインドを整える
自分のゴールを明確にする
まず重要なのは、「なぜDTMをやりたいのか」という目的をはっきりさせることです。
趣味として1曲完結したいのか、副業やプロを目指すのか、自分の好きなアーティストの曲をアレンジしたいのかなど、ゴールを具体的にすることで、学習の優先順位が決まり、挫折しにくくなります。
JBG音楽院やMusic Heartsなどのサイトでは、目的と目標を決めることで学習効率がアップし、成功確率が上がると説明されています。
目的が明確になれば、どのスキルを優先的に学ぶべきかが見えてきますし、途中で迷ったときにも原点に立ち返ることができます。
小さな目標を積み重ねる
最初の目標は、「好きな曲のサビのメロディだけを打ち込む」「16小節程度の短い範囲だけ完成させる」など、小さく具体的なものに設定することが推奨されています。
「16小節コピーを完走する」「ドラム・ベース・コードの3パートだけ作ってみる」といった小さなゴールで、完成体験を積むことが重要とされています。
完成体験を積み重ねることで、「自分にもできる」という自己効力感が高まり、次のステップに進むモチベーションが生まれやすくなります。
完璧主義を捨てて「B級完成」を量産する
「完璧な1曲」よりも「粗くてもいいから複数曲を完成させる」方が、停滞しにくく上達が早いという意見が複数のDTM解説サイトで共有されています。
Music Heartsでは、完璧主義を捨て「B級完成」を量産することが、挫折率90%を突破する鍵だと述べられています。
最初から100点を目指すのではなく、60点でも70点でも良いので、ひとまず完成させてみることで、次の曲作りに生かせる経験値が得られます。
完成させる過程で、DAW操作も音楽理論も自然と身についていくという好循環が生まれるとされています。
機材と環境の選び方を工夫する
機材は最低限から始めて漸進的に拡張する
いきなり高価な機材を一式揃えるよりも、まずはクラウド型DAWや無料版を試して、必要な機能を体感してから少しずつ投資する「漸進投資」が推奨されています。
JBG音楽院では、「スマホだけでも始められるが、本気で取り組むなら最低限の環境整備が上達への近道になる」としつつも、最初から過剰投資は勧めていません。
必要な機材は自分の制作スタイルによって変わってくるため、実際に曲作りを始めてから不足を感じた部分を補うという考え方が合理的です。
最初はパソコンとヘッドホン、そして無料または低価格のDAWソフトから始めて、継続できそうだと感じたらオーディオインターフェイスやMIDIキーボードなどを追加していくと良いでしょう。
DAW操作だけの練習日を設ける
「楽曲制作」と「DAW操作の習得」を同時にやろうとすると負荷が高くなるため、まずはDAWを立ち上げて「とにかく音を出して遊ぶ日」を設けると心理的ハードルが下がります。
DAWの基本操作に慣れておけば、後から曲作りに集中しやすくなり、挫折しにくくなるとされています。
例えば、プリセットの音色を鳴らしてみる、エフェクトをかけて音がどう変わるか試してみる、テンポを変えてリズムパターンを打ち込んでみるなど、創作のプレッシャーを感じずにDAWに触れる時間を持つことが推奨されます。
スキルの学び方を効率化する
楽器経験をDTMに活かす「DTAM」の発想
楽器が弾ける方は、その演奏をDTMに生かす「DTAM(DTM+楽器)」的な発想が有効だとされています。
楽器経験が少ない場合でも、簡単な鍵盤やパッドを触ってリズムやフレーズを体感することで、打ち込みのイメージがつかみやすくなり、理論の吸収も早くなると解説されています。
実際に音を出して演奏する経験は、耳のトレーニングにもなりますし、メロディやコード進行の感覚を身につける上で非常に有効です。
音楽理論は必要なときに辞書引きスタイルで学ぶ
音楽理論を一からすべて覚えようとすると挫折しやすいため、「必要になったタイミングで、辞書を引くように少しずつ覚える」方法が提案されています。
まずはキーの選び方と基本的なダイアトニックコード進行だけ押さえれば、曲作りがかなりスムーズになるという指摘があります。
完璧に理解してから曲を作るのではなく、曲を作りながら必要な理論を学ぶという順序の方が、実践的で身につきやすいと考えられます。
曲作りの中で「ここはどういうコードを使えば良いのか」「このメロディに合うキーは何か」といった疑問が出てきたときに、そのつど調べて理解していくスタイルが推奨されます。
モチベーションと人間関係を大切にする
仲間を作りフィードバックの場を確保する
DTM仲間に質問したり、SNSで作品を共有したりすることで、「一人で抱え込んで詰む」パターンを避けられるとされています。
Twitterの企画アカウントや作曲コンテストに参加して、締め切りやお題を外部からもらうことで、継続しやすくなるという具体的な提案もあります。
他の人の作品を聴いて刺激を受けたり、自分の作品に対してコメントをもらったりすることで、創作活動が孤独ではなくコミュニティの一部だと感じられることが、モチベーション維持につながります。
オンラインのDTMコミュニティやスクール、地域の音楽サークルなど、自分に合った形で仲間を見つけることが推奨されます。
小さな一歩を習慣化する
挫折しそうになったら、まずは小さく動くことが大切です。
「1トラックだけ編集する」「1音だけ打ち込む」など、極端に小さな行動から再開する方法が紹介されています。
趣味や学習が長続きする人は、「小さな一歩」をうまく使っており、DTMも例外ではないとされています。
毎日少しずつでも良いので、DAWを開く習慣をつけることで、継続的に曲作りに取り組む土台ができあがります。
自分に合うハードルを冷静に設定する
他人のハイレベルな楽曲と自分を単純比較せず、「今の自分ならどこまでできればOKか」を冷静に決めることが推奨されています。
「得意な分野は深める」「不得意な分野は最低限だけ覚える」といった、強みと弱みを分けて学ぶスタイルが、挫折しにくいとされています。
例えば、メロディを作るのは得意だけどミックスは苦手という場合、まずはメロディ作りを磨いて、ミックスは最低限のテクニックだけ学んで外部に任せるという選択肢もあります。
全ての分野で完璧を目指す必要はなく、自分の目的に合わせて優先順位をつけることが、長く続けるコツです。
挫折しないための具体例
ここでは、実際にDTMを続けている方々がどのような工夫をしているのか、具体的な例を3つご紹介します。
具体例1: 16小節コピーから始めて完成体験を積む
ある初心者さんは、最初から完全オリジナル曲を作ろうとして挫折しかけましたが、好きなアーティストの曲のサビ16小節だけをコピーすることから再スタートしました。
16小節という短い範囲に絞ったことで、数日で完成させることができ、「自分にもできた」という達成感を得ることができました。
その後、同じ曲の別のパートをコピーしたり、別の曲のコピーに挑戦したりすることで、DAW操作と音楽理論を少しずつ学んでいきました。
コピーを通じて、プロのアレンジや音作りのテクニックを学ぶことができ、数ヶ月後にはオリジナル曲の制作にも自信を持って取り組めるようになったそうです。
具体例2: Twitterの企画アカウントで締め切りを作る
別の初心者さんは、一人で黙々と作業していたところモチベーションが続かず、曲を完成させられない日々が続いていました。
そこで、Twitterの「1時間DTM」や「○○曲作りチャレンジ」といった企画アカウントに参加するようになりました。
締め切りとお題が外部から与えられることで、「完成させなければ」という適度なプレッシャーが生まれ、短い曲でも定期的に完成させられるようになりました。
他の参加者さんの作品を聴いて刺激を受けたり、コメントをもらったりすることで、創作活動が楽しくなり、継続できるようになったとのことです。
具体例3: オンラインスクールで質問できる環境を作る
楽器経験も音楽理論の知識もない状態でDTMを始めた方は、行き詰まるたびにインターネットで情報を探していましたが、情報が多すぎて混乱してしまいました。
そこで、オンラインのDTMスクールに入会し、講師に直接質問できる環境を整えました。
分からないことをすぐに質問できることで、行き詰まる時間が大幅に減り、学習効率が上がりました。
また、同じスクールの受講生さんとコミュニティで交流することで、一人ではないという安心感を得られ、挫折せずに継続できているそうです。
まとめ: DTMの挫折率と挫折しないために意識すること
DTMの挫折率は、複数のDTM系メディアや講師の観測によると、おおよそ70〜90%程度と推定されています。
公的な統計データは存在しないものの、多くの専門家が同様の見解を示しており、特に「最初の1曲が完成する前」に挫折する方が多いとされています。
挫折の主な原因は、DAW操作や機材設定の複雑さ、楽器経験や音楽理論の不足、完璧主義と目標設定のミス、そして孤立とフィードバック不足です。
これらの原因を理解し、適切な対策を講じることで、挫折せずにDTMを続けることが可能になります。
挫折しないために意識すべきポイントは、以下の通りです。
- 自分のゴールを明確にし、小さな目標を設定して達成感を積み重ねる
- 完璧主義を捨てて、粗削りでも良いので複数の曲を完成させる
- 機材は最低限から始めて、必要に応じて漸進的に拡張する
- DAW操作だけの練習日を設けて、創作のプレッシャーなく操作に慣れる
- 音楽理論は必要なときに辞書引きスタイルで学ぶ
- 仲間を作り、質問やフィードバックができる環境を確保する
- 小さな一歩を習慣化し、毎日少しずつでもDAWに触れる
- 自分に合うハードルを冷静に設定し、強みと弱みを分けて学ぶ
これらの意識を持つことで、楽しいと感じる瞬間を意図的に作り、長く続ける土台を作ることができます。
DTMは決して難しすぎるものではなく、準備と学習方法次第で誰でも継続できる趣味です。
あなたの音楽制作の一歩を応援しています
DTMの挫折率が高いという事実を知ると、不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、その多くは適切な準備や学習方法を知らなかったことが原因であり、あなた自身の能力や才能の問題ではありません。
この記事でご紹介したポイントを意識して、まずは小さな一歩から始めてみてください。
好きな曲の16小節だけをコピーしてみる、DAWを開いて音を鳴らしてみる、SNSでDTM仲間を探してみるなど、できることから取り組んでみましょう。
最初はうまくいかないこともあるかもしれませんが、完成体験を一つずつ積み重ねていくことで、必ず道は開けます。
あなたの音楽制作が、楽しく充実したものになることを心から応援しています。
焦らず、自分のペースで、DTMライフを楽しんでいってください。